前回は、生成AIがどんなものかを知り、実際にGoogle AI Studioで簡単な文章を作ってみましたね。AIがあなたの言葉で新しいものを生み出す瞬間に、ワクワクしたのではないでしょうか。
本日は、その「魔法の呪文」であるプロンプトについて、もっと深く掘り下げていきます。
プロンプトのコツを掴めば、AIがあなたの理想のパートナーになって、もっとあなたの意図にぴったりの答えを出してくれるようになります!
はじめに:なぜプロンプトが大切なの?
誰かに何かをお願いするとき、あなたはどんな言葉で伝えていますか?
例えば、お料理を誰かに頼むとき、「なんか美味しいもの作って」と言うのと、「冷蔵庫にある鶏肉と玉ねぎで、15分で作れるヘルシーな和風おかずをお願い!」と言うのとでは、出てくるものが全然違いますよね。
生成AIも同じで、あなたの「プロンプト(指示や質問)」の質が、生成AIが出す「生成結果」の良し悪しを大きく左右するのです。
それでは、生成AIをもっとあなたの「思い通り」に動かし、期待以上の結果を引き出すためのコツを学んでいきましょう。

4つの基本テクニック
それでは、生成AIにあなたの意図を正確に伝えるための、具体的なプロンプトのテクニックを4つ学んでいきます。
役割を与える
生成AIに特定の「役割」や「専門家」になりきってもらうことで、その役割に合った専門的な知識や、適切なトーンで回答を引き出すことができます。
【プロンプト例】
あなたはプロのWebデザイナーです。 初心者向けに、Webサイトを作る上での大切なポイントを3つ説明してください

制約条件を明確にする
「これくらいの長さで」「こんな形にしてほしい」といった具体的なルールを生成AIに伝えることで、あなたの求める範囲内で回答を生成しやすくなります。
【プロンプト例】
新しい商品(いちごのショートケーキ)のキャッチコピーを5つ提案してください。ただし、「最高」という言葉は使わないでください。

出力フォーマットを指定する
生成AIが出力する回答の「形」を指定することで、後であなたがその情報を使いやすくなります。ブログ記事の構成や、資料作成などに便利です。
【プロンプト例】
おいしいクッキーを作るための材料リストを作りたい。後で買い物リストとして使いたいので、箇条書きで出してください。

具体例で「見本」を示す
あなたが生成AIに「こんな回答をしてほしい」という具体的な例をいくつか先に示すことで、生成AIがその「パターン」を理解し、同じような形式やトーンで回答を生成しやすくなります。
【プロンプト例】
次の例のように、料理名と主な材料を教えてください。
例1:料理名:カレー。主な材料:鶏肉、じゃがいも、玉ねぎ。
例2:料理名:ハンバーグ。主な材料:ひき肉、玉ねぎ、卵、パン粉。
これと同様の形式で、麻婆豆腐の主な材料を教えてください。

高度なテクニック
生成AIはあなたの指示に従いますが、どのように「考えて」答えを出すかまで指示することで、より深く、質の高い回答を引き出せるようになります。
段階的に考えさせる
複雑な質問を生成AIに一気に投げかけるのではなく、「まずこれについて考えて、次にそれを使ってこれをやって」と、ステップを踏んで考えさせることで、生成AIの回答の精度が上がります。
【プロンプト例】
まず、今日の天気予報に基づいて、外出時に必要なものをリストアップしてください。次に、そのリストを踏まえて、今日の過ごし方のおすすめを教えてください。
最近では、生成AI自身がある程度「自分で考えて」情報収集や思考プロセスを進めてくれるような、より賢いツール(AIエージェントなど)も登場しています。 それらのツールを使えば、よりシンプルな指示で複雑なタスクをこなせるようになりますが、まずは基本的な「段階的に考えさせる」プロンプト術をマスターしましょう!
質問をさせる(AIに確認させる)
生成AIに「わからないことは質問してね」と伝えることで、生成AIがあなたの意図をより深く理解し、的確な回答を生成するために必要な情報を引き出してくれます。
【プロンプト例】
回答を始める前に、もし追加で必要な情報があれば質問してください。
最近の高度な生成AIモデルの中には、上記のようなことを伝えなくても、最適な回答のために必要な情報を自ら質問して確認してくれる賢いものも増えています。

使うツールの個性を見極めて活用する
世の中には様々な生成AIツールがあり、それぞれ得意なことや特徴が少しずつ違います。まるで人間にも個性があるように、生成AIツールにも「個性」があるのです。
この「個性」を知って使い分けることで、あなたの目的にぴったりの生成AIを選び、より効率的に、より満足のいく結果を得ることができます。
個性を見極めるポイント
モデルの得意分野
ある生成AIツールは文章作成が非常に得意だったり、別の生成AIツールはコード生成に強かったり、また別の生成AIツールは最新情報に強いといった特徴があります。
無料版と有料版の違い
無料版では機能や利用回数に制限があっても、有料版にするとより高度な機能や無制限に使えるようになるツールもあります。
情報鮮度(学習データの新しさ)
AIが「いつまでの情報」を学習しているかによって、回答できる情報の新しさが変わります。例えば、2023年までの情報しか知らないAIは、2024年の出来事には答えられません。
Google AI Studio(Geminiモデル)の特徴
個性を見極めるポイントを踏まえ、今回使った『Google AI Studio(Geminiモデル)』の特徴をまとめました!
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試行錯誤が重要!プロンプトは「育てる」もの
プロンプトは、一度で完璧な「魔法の呪文」が完成するわけではありません。
最初の生成AIの回答が、あなたのイメージと少し違っても大丈夫です。「なんだ、こんなものか…」と諦めるのはもったいない!まずは「こんな答えが出たんだな」と受け止めてみましょう。
生成AIとの対話は、まるでゲームのようなもの。少しずつ試行錯誤を繰り返すことで、生成AIがあなたの意図をより深く理解し、最高のパートナーへと育っていきます。
プロンプトを磨くコツ
より良い回答を引き出すための、プロンプトを「磨く」コツを具体例を交えてご紹介します。
生成AIからの最初の回答は、あくまで「たたき台」。ここから、あなたが欲しい形へと導くための具体的なステップです。ぜひ手を動かして試してみてください!
【プロンプト例】
健康的な朝食のアイデアを教えてください。
生成AIの回答を見て、「イメージ通りか?」「足りない情報は?」「どこを修正してほしいか?」を具体的に考えます。

- もっと具体的に伝えられたことはないか?
- 不要な情報や曖昧な表現がプロンプトに含まれていなかったか?
- 言葉の選び方や、トーン(例:丁寧、カジュアル)は適切だったか?
- 役割や制約条件、出力フォーマットの指定は足りていたか?
- 具体例が不十分ではなかったか?
今回の例では、生成AIの回答を見て「もっと具体的にレシピが欲しい」「調理時間や使う食材の指定がなかった」といったという改善点を見つけたとします。
上で見つけた改善点をもとに、プロンプトに手を加えてみましょう!
【プロンプト例】
忙しい朝にぴったりな、5分で作れる豆腐を使った健康的な朝食のアイデアを3つ教えてください。具体的なレシピ(材料と手順)も簡単に教えてください。
こうすることで、生成AIはよりあなたの意図を理解し、次のように具体的で役立つ回答を返してくれるはずです。
修正したプロンプトをもう一度生成AIに送ってみましょう。

このサイクル(分析→改善点発見→修正→再実行)を繰り返すことで、生成AIがどんどんあなたの意図に近づき、より質の高い回答が得られるようになります!
まとめ
お疲れ様でした!
本日は、生成AIにあなたの意図を正確に伝え、より良い回答を引き出すためのプロンプトのテクニックをたくさん学びましたね。役割を与える、制約を設ける、思考を誘導するなど、様々な方法があることを知っていただけたかと思います。

生成AIは、あなたが試行錯誤するほど、あなたの意図を理解し、どんどん賢く「育って」くれる頼れるパートナー!
小さな成功体験を積み重ねることで、生成AIを使いこなす自信と、新しいものを作るモチベーションがどんどん湧いてくるはずです。
明日は、今日までに学んだことを活かして、より実践的な課題にチャレンジしていきます!
仕事だけじゃなく、プライベートでも役立つ生成AI活用術です。お楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう!